『多田尋子小説集 体温』

著 者 多田 尋子
価 格 \1,800 +税
ISBN   9784990889920
発売日 2019年10月25日
判 型 四六判上製
頁 数 224頁

歴代最多の6 度、芥川賞候補にあがった作家、多田尋子の小説集を復刊。表題作「体温」を含む3作品を収録した一級品の恋愛小説集です。

収録作品
体温(「群像」1991 年6 月号)
秘密(「群像」1992 年10 月号)
単身者たち(「海燕」1988 年11 月号)

著者プロフィール
多田 尋子(ただ ひろこ)
1932 年長崎県生まれ。日本女子大学国文科を卒業。
1986 年に「白い部屋」で第96 回芥川賞候補となり、その後「単身者たち」「体温」などで計6 度候補となる。

『多田尋子小説集 体温』 書店員からの推薦文

命を孕む肉体が欲望の対象となるように、女性であることの有りようにはたえず揺らぎがある。揺らぎがないふりをしていた。それを強さのように思っていた。そのことを突きつけるためこの作品集はわたしの前に現れた。
――三省堂書店 成城店 大塚真祐子

ページを繰っていると、いつのまにか同年代の主人公に自分の心が寄り添い、小説の中を生きているような気持ちになりました。静かだけれどどこか心にひっかかる。ずっと読んでいたい文章です。
――1003 奥村千織

人生で一番、結婚ってなんなんだ? と考えていた時に読みました。主人公のような結婚生活は嫌だなと思いました。でも問題は、結婚というものじゃないのかもと気がつきました。なんだか、前に進めそうな気がします。
――いか文庫 粕川ゆき

ものすごく誰かの体温が欲しいときがある。でも、その温もりの中に素直に飛び込めない悲しみ。自分の思い通りには進まない人生とそこで生きていく強さ。現代女性のための物語だと思いました。
――未来屋書店 高の原店 小板橋央

情報の渦に飲み込まれる日々の中で、どれが自分の考えでどれが他者の言葉だったかわからなくなるときがある。この小説を読んでいるあいだだけは、まるで土の中にもぐって自分の呼吸の音だけを聞くような、静かな時間の中にいることができた。
――HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE 花田菜々子

誰かに触れて伝わるもの。触れずとも感じるもの。哀しみも、寂しさも、声にならない愛おしさも。体温計では測れない、悲喜こもごもが綯い交ぜになった人の温もり。そんな温かみを纏った、うつくしい言葉の花束です。
――湘南 蔦屋書店 八木寧子